「スリーパー効果」で相手の無意識に入り込む

影響力

他人に影響を与える方法の研究で必ず登場する心理効果が、「スリーパー効果」です。

インパクトの強い話、記憶に残ったエピソードが相手の心に残り、無意識のうちに話し手の除く方向へ行動を促すものです。

例えば、この投資をすると、「3倍」になる。という話を聞きます。

その場合、時間の経過とともに、抵抗感や疑いの気持ちが抜け落ちて、受けたインパクトだけが頭に残って、心が動かされてしまいます。

スリーパー効果が高められる条件は、2つあります。

1、最初のインパクトの大きさ

メッセージの受け手がその内容に賛成か、不賛成かに関係なく、最初に強い印象を与えることで相手の無意識化に入り込むことができます。

職場での人間関係の円滑化、取引先のキーパーソンの説得、家族の合意形成、好意を寄せる異性を振り向かせる場合等でも強い影響力を発揮します。

話すときは語りだしのインパクトを、メールや企画書などの文章では書き出しの強さを意識してみましょう。

2、後から情報ソースの牽引性が明らかになる

後から信憑性の高い補完情報、けん引性のある人から賛成意見などが加わると、スリーパー効果が高まります。

これらからいえることは、インパクトの強い正しい意見や主張を、聞き手の顔色や場の雰囲気を気にせずにぶつけることが、スリーパー効果による無意識への影響を狙った最高のアプローチとなります。

また、無意識に働きかけることで相手の信念や性格からくるこだわりすら変える力があります。

但し、正面切って話をすると、「心理的リアクタンス」(心理的に追い詰められることにより、相手に対して攻撃的な態度をとること)が発生します。

人は、本能的に自分の行動を自己選択したいという欲求があり、それを他人に邪魔されたと感じると、プラスの提案であっても無意識的に反発したくなります。

このようなスリーパー効果を使うことにより、影響力を増すことができます。