権力を利用して、インパクトを与える

影響力

人は、権力に弱く、無意識のうちに心を動かされてしまいます。

脳には、消費するエネルギーをできるだけセーブするため、認知や判断、施行をショートカットさせる性質が備わっています。

権威というインパクトがあると、「このひとのいっていることにはいんぴょうえしがあるのだろう」「周りが権威を認めているのだから、正しいはずだ」「従っても問題ないだろう」と、思考停止状態になってしますのです。

その演出方法の1つが「権威」です。

人物や場所の持つ権威性、イメージを利用する「トランスファー」というテクニックです。

この手法は、説得力や影響力を発揮したいときに、すでに権威性のある場所や人の力を借りてしまうやり方ですが、その効果は歴史が証明しています。

日本では、宮内庁御用達、創業〇百年、〇〇賞を受賞。よく聞いたことがありますよね。

例えば、歴代のアメリカ大統領は大統領就任演説を連邦議会議事堂の前で行います。

そこで、アメリカの歴史に残るエピソード、歴代大統領の偉業の紹介、国民の多くが幼いころから四できる聖書のフレーズの引用などを交えて所信表明をしながら、自分の伝えたいキーフレーズを反復するのです。

作られたものだとわかっていても、それでも人は権威に弱いです。

人は権威とつながりを持ちたいという願望があります。

虎の威を借る狐のような権威であっても、私たちの中にある「新しいものを選ぶことへの抵抗感」を和らげてくれるからです。

人は、新しい情報を受け入れるとき、不安を感じ何かしらの助けを得る要素をもとめます。

具体的には、周囲の人からの同調であったり、権威によるお墨付きであったり、歴史的な裏付けであったりするわけです。

今回のコロナ禍においても、このような動きがあったかと思います。

日本人は特に、多くの人がやっていること、信じているものには何かしらの理由があり、いいこと、安全なことであるに違いないと考える傾向があります。

そのため,「トランスファー」は有効に作用します。